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グレインフリーのドッグフードとは?犬に与えるメリットや、グルテンフリーとの違い、選び方、おすすめグレインフリードッグフードなどついて紹介!

犬のグレインフリーフードとは?犬に与えるメリットやデメリット、グルテンフリーとの違い、選び方、与え方などついて解説!
グレインフリーのドッグフードとは?犬に与えるメリットや、グルテンフリーとの違い、選び方、おすすめグレインフリードッグフードなどついて紹介!

「グレインフリーフード」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。グレインフリーフードは、原材料に穀類全般(小麦やトウモロコシなど)を使用していないドッグフードのことを指しています。

穀物アレルギーがある犬にとっては欠かせないフードですが、穀物アレルギーがない犬とその飼い主からも注目を集めています。本記事では、グレインフリーフードの意味や、犬に与えるメリットおよびデメリット、グレインフリーとの違い、選び方、与え方、おすすめグレインフリードッグフードなどをご紹介します。

目次

犬にとってのグレインフリーとは?

犬のグレインフリードッグフードとは、稲、小麦、トウモロコシなどの穀物を原材料に使用しないドッグフードのことを意味しています。ここでは、グレインフリードッグフードがどのようなフードなのか、どのような特徴を持っているのかなどについてお伝えいたします。

そもそもグレイン(穀類)とは?

グレインフリーの「グレイン(Grain)」は「穀物」のこと指しており、穀物とは小麦、トウモロコシ、米、大麦、ライ麦などのイネ科や、大豆、小豆、いんげん豆、えんどう豆などのマメ科、蕎麦、キヌアなどの疑似穀類を意味しています。

しかし、グレインフリードッグフードにおけるグレインとは、イネ科、マメ科、疑似穀類の全てを指しているわけではなく、イネ科のことを意図しており、マメ科や疑似穀類は含まれていないことがほとんどです。そのため、ドッグフードにおけるグレインフリーは、イネ科の食材を使っていないと認識しておくと良いでしょう。

また、ドッグフードにおいて使用されることが多い穀物は、小麦、トウモロコシ、米、大麦、ライ麦です。

イネ科

イネ科に含まれる食材には、小麦、トウモロコシ、米、大麦、ライ麦、オーツ麦、ハト麦、キビ、アワ、ヒエなどが含まれます。これらの穀物はドッグフードによく使用しされています。

イネ科の穀物は、炭水化物が豊富でたんぱく質やその他の栄養素も含んでいます。犬が摂取すべきカロリー(エネルギー)を満たすだけでなく、食物の体積を増やすことで満腹感をもたらします。

しかしながら、全ての犬が穀物を問題なく消化吸収できるわけではありません。また、イネ科の穀物にはグルテンを含むものも存在し、アレルギー反応や食物不耐症を発症する可能性があります。

マメ科

マメ科に含まれる食材には、大豆、小豆、いんげん豆、えんどう豆、そら豆、落花生、ひよこ豆などが存在します。マメ科の食材はたんぱく質や繊維質、ミネラル類を含んでおり、犬の消化器系の健康をサポートし、満腹感をもたらしてくれます。

また、マメ科の食材は低脂質でありながらエネルギー源としても優れています。さらに、マメ科の食材に含まれるたんぱく質は、動物性タンパク質と異なるアミノ酸を持っています。

その他(疑似穀類)

マメ科に含まれる食材には、蕎麦、キヌア、アマランス、バックホート、ソルガムなどが存在します。これらは炭水化物を豊富に含んでおり、グルテンを含まないため、穀物アレルギーやグルテン不耐症のある犬に適しています。

キヌアは特に栄養価が高く、すべての必須アミノ酸を含んでおり、特にリジンというアミノ酸が豊富で、たんぱく質の質を向上させます。また、キヌアはマグネシウム、鉄、ファイバー、ビタミンB群、および抗酸化物質が豊富で、犬の健康を幅広くサポートすることができます。

グレインフリーのドッグフードとは?

グレインフリーのドッグフードとは、稲、小麦、トウモロコシなどの穀物を原材料に使用していないドッグフードのことです。従来のドッグフードには、小麦やトウモロコシ、米、大麦、オーツ麦などの穀物が含まれていることが多いですが、グレインフリードッグフードではこれらが完全に排除されています。その代わりに使用されている食材が、じゃがいもやサツマイモ、エンドウ豆、レンズ豆などの穀物以外の炭水化物です。これらの食材は、犬に必要なエネルギーを供給するとともに穀物由来のアレルギーを避けることができます。

グレインフリードッグフードが選ばれる多くの理由は、穀物に対するアレルギー対策もしくはグルテンに対する不耐性を持つ犬の健康に配慮している点です。犬の穀物アレルギーは皮膚炎や消化器系の健康問題を引き起こす可能性があり、これらの症状から犬を守るために穀物を排除した食事が求められています。また、穀物を含まない食事は消化がしやすい傾向にあり、消化器系の健康をサポートしてくれると考えられています。さらに、グレインフリーフードは高品質の肉や魚が使用され高たんぱく質であるため、犬の筋肉と免疫力もサポートしてくれます。

ただし、グレインフリーフードが全ての犬に最適というわけではありません。犬の個々の健康状態やライフステージにもとづいてドッグフードを選ぶことが重要です。穀物を含まないドッグフードが必ずしも栄養面で優れているとは限らないため、フードを選ぶ際には成分表を注意深くチェックし、獣医師と相談することがおすすめです。

犬にとってのグルテンフリーとは?

犬のグレインフリードッグフードにおいて、類似した言葉としてよく聞くのがグルテンフリーです。ここでは、グルテンフリーについて説明します。

そもそもグルテンとは?

グルテンとは、小麦、ライ麦、大麦などの麦類に含まれるたんぱく質の一種で、パンやパスタなどをふっくらとさせ、弾力性を与える性質を持っています。グルテンは、グルテニンとグリアジンという2種類のたんぱく質質が結合してできています。

グルテンフリーとは?

ドッグフードにおけるグルテンフリーは、小麦、大麦、ライ麦を原材料に使っていないことを表していることがほとんどです。より厳密には、麦類に含まれるたんぱく質を使用していないドッグフードということを意図しています。

グルテンフリードッグフードは、グルテンを含む麦類を避けるため、米、トウモロコシ、キノア、さつめいも、じゃがいもなどの炭水化物を使用することが多いです。これにより、アレルギーや食物不耐性のある犬でも安全に食事をとることができます。

また、グルテンフリーのドッグフードは、犬の消化器系に優しいとされており、栄養吸収を改善する効果があると考えられています。

グレインフリーとグルテンフリーの違いとは

グレインフリーのドッグフードとグルテンフリーのドッグフードは似ているようでいて、若干異なります。

まず、グレインフリーのドッグフードは、小麦、トウモロコシ、米、大麦、オーツ麦などの穀物を含まないドッグフードです。これは、穀物が原因でアレルギーや消化不良を起こす犬に適しているとされています。グレインフリーのフードでは、穀物の代わりにサツマイモ、ジャガイモ、エンドウ豆、レンズ豆などの他の炭水化物源が使用されます。これにより、穀物に対するアレルギーや不耐性がある犬にも安心して食べられる選択肢を提供することができます。

一方で、グルテンフリーのドッグフードは、グルテンを含む麦類を避けることを目的としています。グルテンは主に小麦、ライ麦、大麦に含まれるたんぱく質であり、消化不良やアレルギー反応を引き起こすことがあります。グルテンフリーのフードでは、これらの麦類を避ける一方で、グルテンを含まない穀物であるトウモロコシや米が使用されることもあります。

これらのことから、グレインフリーのドッグフードはイネ科の大麦や小麦を使用していないので、グルテンも含んでいないということになります。しかし、グルテンフリーのフードが必ずしもグレインフリーであるわけではないということです。

グレインフリードッグフードの種類

グレインフリーのドッグフードの種類は、大きく「ドライフード」、「ウェットフード」、「フレッシュフード」に分かれます。ここでは、それぞれについて説明します。

ドライフードとは

犬のドライフードは、水分が10%以下の加熱発泡処理された固形状のフードで、一般的によく与えられているドッグフードです。「カリカリ」と呼ばれることもあり、保存性と購入金額が安価である点にメリットがあります。

水分をほぼ除去した加工食品であり、その保存性と価格は他のドッグフードと比べて優れています。水分が少ないため細菌やカビが繁殖しにくく常温保存が可能です。また、その保存性の高さから、大量生産に適しており、価格も抑えることができます。さらに、ドライフードは歯垢の蓄積を防ぐのに役立つとも言われており、犬の歯の健康を維持する助けになります。さらに、計量しやすく扱いやすい点も飼い主にとって魅力的な側面かもしれません。

ウェットフードとは

犬のウェットフードは、水分含有量がフード全体の75%前後で、殺菌工程を経て缶詰、アルミトレー、レトルトパウチなどにパッケージングされたフードです。一般的にドライフードよりも風味が豊かで多くの犬が好み、食欲を刺激する効果があります。

水をあまり積極的に摂取しない犬にとって、ウェットフードは水分補給のサポートをしてくれ、腎臓の健康維持に役立ちます。また、ウェットフードは柔らかいため、高齢犬や咀嚼能力が低下している犬にとってより良い選択肢となり得ます。

フレッシュフードとは

犬のフレッシュフードは、主に未加工の新鮮なお肉や魚、野菜、果物、全粒穀物などからつくられ、不必要な保存料や人口添加物、酸化防止剤などが使われていないドッグフードです。AAFCO(米国飼料検査官協会)の基準を満たしている総合栄養食やメインドッグフードへのトッピング食として存在しており、犬に必要な栄養素がバランスよく配合されています。

また、上記のような特徴から、犬の元々の食性に近い食事ができるので、犬にとっては消化しやすく栄養価も高い食事であり、、免疫力向上および健康改善につながりやすいと考えられています。

新鮮な食材は、良質なたんぱく質やビタミン、ミネラル、酵素を含んでおり、愛犬の健康に大きく貢献してくれます。また、さまざまな種類のフレッシュフードが存在し、愛犬のアレルギーも考えながら与えることができます。さらに、新鮮なお肉やお魚、野菜は、缶詰やドライフードに比べて自然な味や風味が強く多くの犬に好まれ、食欲を刺激するため、食欲が落ちがちな高齢犬や病後の回復期にある犬にとって大きなメリットになります。

犬に穀類を与えても大丈夫?

犬に穀類を与えることについては、犬の犬種や健康状態、穀類の種類によって回答が異なります。穀類は一般的に炭水化物が豊富で、エネルギー源として機能します。多くの標準的なドッグフードには小麦、トウモロコシ、米、オーツ麦などの穀類が含まれており、犬の健康維持に寄与しています。

穀類はビタミンB、鉄、マグネシウム、セレン、繊維質など、犬の健康に必要な栄養素を含んでいます。これらの栄養素は、犬のエネルギー代謝、神経機能、免疫のサポートをしてくれます。特に繊維質は消化器系の健康を支え、便通を良くする効果があります。

しかし、全ての犬が穀類を問題なく消化吸収できるわけではありません。一部の犬は穀類や特定の穀類成分に対してアレルギーを持っている場合があり、穀類を摂取すると皮膚炎や消化不良、アレルギー反応を示すことがあります。また、穀類は大量に摂取することは肥満の原因になることもあるため、適切なバランスで与えることが重要です。

昨今、グレインフリーのドッグフードが注目されている背景にはどのような理由があるのでしょうか?一つずつ見ていきましょう。

グレインフリーのドッグフードが注目されている背景

穀物(グレイン)はアレルギーを起こしやすいといわれているため

穀物アレルギーとは、犬が穀物成分に含まれる特定のたんぱく質に対して過敏反応を示す状態を指します。最も一般的に報告される症状は皮膚のかゆみ、発疹、脱毛、および消化不良や下痢といった消化器系のトラブルです。これらの反応は、犬の免疫が穀物由来のたんぱく質を誤って脅威と認識し、過剰に反応することで起こります。

しかし、実際には穀物によるアレルギーは犬にとって比較的多くはないともされています。一般的に犬のアレルギー原因としては、むしろ肉類や乳製品など他のたんぱく質源の方がよく知られています。

食材とアレルギーの発生確率
食材とアレルギーの発生確率

参考:BMC「Critically appraised topic on adverse food reactions of companion animals (2): common

グレインフリーへの需要が高まる背景には、穀物アレルギーを持つ犬への対策だけでなく、グレインフリーがもたらす他の健康上のメリットへの期待もあります。例えば、穀物を含まない食事は、低炭水化物であるため、肥満が懸念される犬にとって有効な選択肢となるなど。

穀物が含まれるドッグフードが必ずしも健康に悪影響を及ぼすわけではなく、穀物を含む食事を問題なく消化吸収していることも多々あります。穀物アレルギーが疑われる場合には、適切なアレルギーテストを行い、獣医師のアドバイスに従って食事計画を立てることが重要です。

犬の祖先はオオカミで、元々の食性は肉食だから?

グレインフリーのドッグフードに対する注目が集まっている背景の一つとして、「犬の祖先はオオカミであるため」という理由がしばしば挙げられます。オオカミは肉食動物であり、食事は主に肉類から成り立っており、穀物をほとんど摂取せず、消化する能力も限られているとされています。この事実から、犬もその祖先と同じように穀物を消化するのに適していないと考えられるようになりました。

実際に、一部の犬は穀物を含むドッグフードを食べることでアレルギー反応や消化問題を示すことがあります。しかし、全ての犬がオオカミと同じ食生活を必要とするわけではなく、犬種や個体によっては穀物を含んだフードを問題なく消化吸収することができます。

また、現代の犬は何千年もの過程で進化し、人間の食生活に適応してきたため、穀物を含むバランスの取れた食事が適している場合もあります。そのため、グレインフリーフードが犬にとって必ずしも最適な選択肢とは限らないことも認識することが重要です。

穀物を分解する酵素アミラーゼが少ない傾向

アミラーゼは、炭水化物を分解して消化する過程で重要な役割を果たす酵素です。人間を含む多くの動物の唾液や膵臓から分泌され、食べ物中の糖質をより小さな糖分子に分解することで、体が吸収しやすい形に変えます。ただし、犬は他の多くの肉食動物と同様に、唾液中のアミラーゼの量が非常に少ないか、まったく含まれていないとされています。

この特性から、犬が穀物を主成分とする食事を摂ると、消化不良を起こしやすいとされます。消化されにくい炭水化物は腸内で発酵し、ガスや不快な腹部膨満感を引き起こすことがあります。また、消化されないまま腸を通過する炭水化物は、腸内細菌のバランスを崩す可能性があり、これが下痢や便秘といった消化器系の問題を引き起こす原因となることもあります。

このような背景から、犬の食事に穀物を使用しないグレインフリーのドッグフードが開発されました。グレインフリーフードは、犬が消化しやすいとされる肉や魚、野菜、サツマイモなどを主要な成分としており、穀物由来の炭水化物に代わるものとして使用されています。これにより、アミラーゼの分泌が少ない犬でも、栄養を効率良く吸収し、健康を維持することが期待されます。

ただし、すべての犬にとって穀物が消化しにくいわけではありません。グレインフリーのドッグフードが必ずしも全ての犬に最適とは限らず、犬の個々の健康状態や消化能力に合わせて適切な食事を選ぶことが重要です。

グレインフリーのドッグフードが犬にもたらすメリット

グレインフリードッグフードは、犬にとってどんなメリットや影響があるのでしょうか。複数の視点から見ていきましょう。

穀物アレルギーのある犬でも食べられる

穀物アレルギーのある犬にとって、グレインフリーのドッグフードはアレルギー反応を引き起こす穀物を抜いている状態であるため、安全に食べることができるフードです。

グレインフリードッグフードは、肉や魚を主となるたんぱく質原として使用し、穀物の代わりにさつまいもやじゃがいも、エンドウ豆など消化しやすい炭水化物源を使用します。これにより、アレルギー反応を避けつつ、犬の栄養要求を満たすことが可能です。

グレインフリーのフードを選ぶことで、穀物アレルギーによる症状が改善される場合が多く、犬はより快適に日常生活を送ることができ、食欲不振や栄養不足などの他の健康問題のリスクも低減されます。

多くの動物性たんぱく質を摂取できる

グレインフリーのドッグフードでは、穀物の代わりに、肉や魚などの動物性たんぱく質が主要成分として用いられます。これにより、犬の筋肉の構築、修復や免疫力強化を促します。特に活動的な犬や成長期の子犬、または回復期にある犬にとって、十分な量のたんぱく質を摂取することは重要です。

さらに、動物性たんぱく質は犬が必要とするアミノ酸を含んでいるため、犬の体内で生成できない必須アミノ酸を効率的に補給することができ、犬の健康な皮膚や被毛の維持などにも寄与します。

腸内トラブルの予防

穀物を含むドッグフードでは、トウモロコシ、小麦、大麦、オーツ麦などが一般的に使用され、これらはグルテンやたんぱく質を含み、特定の犬にとってはアレルゲンとなることがあります。さらに、穀物は炭水化物を含んでいる物もあるため、これらを分解する過程で腸内ガスの生成が増えることがあります。これは膨満感、不快感、下痢、便秘といった消化器系の問題につながりうる原因にもなります。

グレインフリーのドッグフードフードでは、これらの穀物を使用せず、代わりに消化しやすいさつまいもや、じゃがいも、エンドウ豆などの他の炭水化物を用いることが多いです。これらの成分は犬の消化器系にやさしく、栄養吸収が良く、腸内での発酵が少なくなるため、ガスの発生や腸内不調のリスクが低下します。

肥満防止

通常、多くの従来のドッグフードには小麦、トウモロコシ、大麦などの穀物が含まれていますが、これらは炭水化物の含有量が多い食材です。そのため、適度な運動が日常的に行われていない場合、カロリーオーバーとして体内に蓄積され、結果的に体重増加や肥満につながる可能性があります。

グレインフリーのドッグフードは穀物を使用せず、代わりにたんぱく質が豊富な肉や魚を主成分として使用することが多く、炭水化物としてはさつまいもやじゃがいもなどの低GI食材を用いることが一般的です。低GI食材は血糖値の急上昇を抑え、犬が満足感を感じやすく、過食を防ぐ助けとなります。

グレインフリードッグフードのデメリットと注意点

ここではグレインフリーのドッグフードが犬にもたらすとされているデメリットと注意点をご紹介していきます。

肝臓や腎臓への負担が増す可能性がある

グレインフリーのドッグフードが犬にもたらすデメリットの一つとして、「内蔵への負担」が挙げられます。

グレインフリーのドッグフードは、穀物を使用せず、肉などの動物性たんぱく質を多く含む食材を用いるため、高たんぱくなフードになります。たんぱく質は犬の健康に必要不可欠な栄養素ですが、過剰に摂取すると内蔵、特に肝臓と腎臓に負担をかける可能性があります。肝臓はアミノ酸の代謝に関わっており、その過程で発生するアンモニアを無毒化します。腎臓はこれらの物質をろ過して、体外に排出します。たんぱく質の摂取量が多いと、これらの器官に通常よりもストレスがかかり、長期的には機能障害を引き起こす可能性が高まります。

また、多くのグレインフリーフードでは、穀物の代わりにさつまいもやじゃがいもなどの炭水化物が使用されます。これらの食材は食物繊維を含んでいますが、一部の犬にとっては消化が難しい場合があります。これが原因で腸内ガスの発生が増えることもあり、消化不良や膨満感を引き起こすことがあります。

穀物の食物繊維が摂取できない

穀物には、豊富な食物繊維が含まれています。食物繊維は消化器系の健康を促進する重要な要素で、便の体積を増やし、便通を正常に保つのに役立ちます。また、食物繊維は腸内の有益な細菌の成長を助けるプレバイオティックとしての役割も果たし、これにより腸内環境が改善され、免疫機能のサポートが促進されます。

グレインフリーのドッグフードでは、穀物を含まないため、これらの食物繊維を摂取する機会を減らしています。代替の炭水化物源として使用されるじゃがいもやさつまいもなどの食材も食物繊維を含んでいますが、穀物に比べるとその量は少なく、異なる種類の繊維でもあるため、同じ健康効果を期待することは難しい場合があります。

食物繊維が不足すると、犬は便秘や消化不良に悩まされることが多くなります。さらに、腸内フローラのバランスが崩れることで、消化器系の健康全般に影響が出ることもあります。

心疾患との関連性が示唆されている

グレインフリーのドッグフードが犬にもたらすデメリット・注意点として最近注目されているのは、「心疾患との関連性が示唆されている」という点です。この問題は、特に拡張型心筋症(DCM)と呼ばれる心疾患と関連付けられています。この病気は心筋が薄くなり、心臓の拡大を引き起こし、結果として心臓のポンプ機能が低下する病です。遺伝的要因によるものとされたり、特定の食材や栄養素との関連も疑われています。

2019年、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、グレインフリーのドッグフードを食べている犬が拡張型心筋症になりやすい可能性があると報告しました。これは、穀物の代わりに用いているエンドウ豆、レンズ豆、じゃがいもなどの成分が影響しているのではないかといわれています。

問題の一因と考えられているのは、これらの代替成分が犬の体内でタウリンの吸収または代謝を阻害している可能性があることです。タウリンは心臓の健康を支える重要な成分で、不足すると心疾患のリスクが高まります。

一方で、ミズーリ大学が2022年に「グレインフリードッグフードの市場拡大と心臓病の犬の数に相関関係は見られなかった」という報告を出しましたが、拡張型心筋症とグレインフリーフードの関連性については現段階では確定的な証拠は得られておらず、研究は続けられています。

参考:FDA「FDA Investigation into Potential Link between Certain Diets and Canine Dilated Cardiomyopathy」

参照:Incidence of Canine Dilated Cardiomyopathy Diagnosed at Referral Institutes and Grain-Free Pet Food Store Sales: A Retrospective Survey

犬のグレインフリーフードおすすめ5選!

近年、多くの犬のグレインフリーフードが商品化・販売されています。今回は、そのなかでも国内における人気のグレインフリードッグフードをいくつかご紹介します。

犬猫生活 ドッグフード オールステージ用

犬猫生活 ドッグフード オールステージ用は、獣医師と共同開発された国産無添加・グレインフリー・ノンオイルコーティングのプレミアムドッグフードです。味わい豊かな4種の生肉が使用されており、風味を引き立てます。国産の鶏肉・牛肉・魚肉・鶏レバーをふんだんに使用し、犬の本来の習性を考慮した自然に近い栄養バランスを実現しています。

また、素材のおいしさを引き出し、栄養素の欠損をなるべく少なくする低温加熱製法を採用しており、犬が食事を楽しんでくれるような工夫がなされています。

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対象年齢全年齢
主原料国産牛肉(32%)、国産かぼちゃ(17%)、国産卵(17%)、国産白米(15%)、国産に生肉(鶏肉〈日本〉、牛肉〈ニュージーランド、オーストラリア、日本〉、金沢港の旬の魚〈日本〉、鶏レバー〈日本〉)、イモ類(ジャガイモ〈アメリカ〉、サツマイモ〈日本〉)、タピオカ澱粉〈タイ〉、カツオとマグロの魚粉〈日本〉など
フードタイプドライフード
100gあたりのカロリー347kcal
金額(税込み)
6,908円(850g×2)
ドッグフード オールステージ用

【公式】犬猫生活|国産・無添加ペットフード – わが子のごはんがあの子を救う。

モグワンドッグフード

モグワンのドライフードは、ヒューマングレードのお肉やお魚を使用し、厳選された原材料をバランスよく使用したグレインフリーのドッグフードです。

主要成分として鶏肉とサーモンを56.5%使用し、サツマイモ、アスパラガス、リンゴ、クランベリーといった多様な野菜と果物もバランスよく配合されています。

栄養成分としてはたんぱく質が27%以上、脂質が10%以上で、オメガ3とオメガ6脂肪酸も適切に含まれています。全年齢の犬に対応している点も特徴的でしょう。

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対象年齢全年齢
主原料チキン&サーモン56.5%(放し飼いチキン生肉 21%、生サーモン 12%、乾燥チキン 12%、乾燥サーモン 7.5%、チキングレイビー 2%、サーモンオイル 2%)、サツマイモ、エンドウ豆、レンズ豆、ひよこ豆、ビール酵母、アルファルファ、ココナッツオイル、バナナ、リンゴ、海藻、クランベリーなど
フードタイプドライフード
100gあたりのカロリー361.5kcal
金額(税込み)
5,038円(1.8kg×1)
モグワンドッグフード

株式会社レティシアン|ドッグフード・キャットフード・ペット用品

PETOKOTO FOODS(ペトコトフーズ)

PETOKOTO FOODS(ペトコトフーズ)は、国産のフレッシュフードを提供するブランドで、人間が食べられる品質(ヒューマングレード)の食材をメインに使用しています。また、新鮮かつ国産にこだわり、着色料、発色剤、保湿剤、乳化剤、増粘安定剤、pH調整剤、保存料、酸化防止剤などの添加物は一切使用していません。

また、獣医師や世界で約90名しかいない米国獣医栄養学専門医が監修しているため、安心して与えることができるフレッシュフードです。愛犬の健康を最大限に考慮したフードがつくられており、消化吸収が良く、栄養もバランス整っています。

PETOKOTO FOODS(ペトコトフーズ)には、4種類のフレッシュフードが存在しますが、グレインフリーとなっているには「チキン|鶏肉と甘さ濃厚なさつまいも」と「フィッシュ|白身魚と甘さ濃厚なさつまいも」です。

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対象年齢全年齢
主原料国産鶏肉(40%)、国産さつまいも(21%)、国産にんじん(17%)、国産卵(8%)、国産小松菜(5.8%)、すりごま(1%)、亜麻仁オイル(0.9%)、フィッシュオイル(0.9%)など
フードタイプフレッシュフード
100gあたりのカロリー148kcal
金額(税込)
3,000円(150g×4)
チキン|鶏肉と甘さ濃厚なさつまいもの場合

参考:【公式】ペトコトフーズ(PETOKOTO FOODS)|国産フレッシュペットフード

ココグルメ

ココグルメは、犬用のフレッシュフードとして、特に品質と安全性に重点を置いているグレインフリーのドッグフードです。人間が食べることができる品質の食材(ヒューマングレード)を使用しており、保存料や香料等などの不要な添加物は使用していません。食材は新鮮な国産のものを使用し、低温で加熱して栄養を逃さないように調理された後、急速に冷凍され、そのまま飼い主に届けられます。

また、「国産フレッシュペットフードの売り上げNo1」や「愛犬家が選ぶ与えたいフレッシュペットフードNo1」などの実績・評価得ているフレッシュペットフードです。

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対象年齢全年齢
主原料国産鶏肉、国産さつまいも、国産かぼちゃ、国産にんじん、国産小松菜、ごま、殺菌乳酸菌、粉末昆布/ミネラル類、ビタミン類など
フードタイプフレッシュフード
100gあたりのカロリー116kcal
金額(税込)
4,640円(100g×8パック)
チキン&ベジタブルの場合

参考:【獣医師監修】手づくりフレッシュドッグフード/ココグルメ【公式】

Buddy FOOD(バディフード )

Buddy FOOD(バディフード )は、高品質な国産食材と栄養バランスにこだわったフレッシュフードを提供しています。使用される食材は全て人間が食べられる品質(ヒューマングレード)で、新鮮な食材のみを使用しており、愛犬の栄養保持に必要なビタミンとミネラルを補うための国産のサプリメント以外の添加物は一切含まれていません。

栄養学専門獣医師とAAFCO(米国飼料検査官協会)の最新版に基づき、犬の健康を考えて複数のレシピを考案しており、アレルギーに配慮した食材選びがされているため、食物アレルギーがある犬にも安心して与えることができます。

全6種類のうち、黒毛和牛、豚モモ、低脂質チキンがグレインフリー対応のフードです。

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対象年齢全年齢
主原料さつまいも、鶏卵、牛肉(黒毛和牛100%)、にんじん、キャベツ、スナップエンドウ、デキストリン、食用サフラワー油、酵母、植物油脂 / 焼成Ca、未焼成Ca、塩化カリウム、L-メチオニン、酸化Mg、L-シスチン、リン酸Ca、ピロリン酸第二鉄、ナイアシン、パントテン酸Caなど
フードタイプフレッシュフード
100gあたりのカロリー202kcal
金額(税込)
7,920円(145g×12パック)
Beef/黒毛和牛の場合

参考:Buddy FOOD(バディフード)【公式】

グレインフリーのドッグフードがおすすめの犬とは?

グレインフリードッグフードは、特定の条件を持つ犬におすすめされることがあります。

まず、穀物アレルギーまたは穀物不耐症の症状を示す犬には、グレインフリーフードが推奨されます。アレルギー反応の症状には皮膚の炎症やかゆみ、消化不良、耳の感染症、肉球の炎症などが含まれることがあります。グレインフリーフードには小麦、トウモロコシ、大麦など、一般的なアレルゲンとされる穀物が含まれていないため、これら症状の発症リスクを下げるのに役立つ可能性があります。

また、消化器系が弱い犬や消化不良を起こしやすい犬にも適していることがあります。多くのグレインフリーフードは、魚や肉などたんぱく源と穀物に代わる炭水化物としてさつまいもやじゃがいもを使用しています。これらの食材は穀物と比較して胃腸に優しいため、消化器系の健康をサポートするのに役立ちます。

グレインフリーのドッグフードが全ての犬に適しているわけではありません。愛犬の健康状態やライフステージに合わせて、ドッグフードを選ぶようにしましょう。

犬のグレインフリードッグフードの選び方

実際に犬のグレインフリードッグフードを購入したい場合は、どのように選ぶと良いのか解説します。

良質なたんぱく質を含んでいるか

グレインフリーのドッグフードを選ぶ際には「良質なタンパク質を含んでいるか」を確認する必要があります。

穀物が含まれないため、良質なたんぱく質を含むお肉やお魚が多く含まれているドッグフードを選ぶのがおすすめです。使用されているお肉の種類が記載されているか、ヒューマングレードの食材を使用しているかなどを確認するようにしましょう。また、成分リストの最初の部分にお肉またはお魚の名前があることを確認することも推奨されます。

不要な添加物が含まれていないものを選ぶ

ドッグフードには不必要な人口的な添加物が含まれることもあります。人工的な保存料や、着色料、香料、酸化防止剤などの不要な添加物を摂取するとアレルギー反応を引き起こしたりする可能性があるため注意しましょう。

特に以下の添加物が含まれていないものを選ぶようにしましょう。

  • 合成保存料
  • 着色料
  • 香料
  • 防腐剤
  • BHA
  • BHT

栄養バランスを考えて選ぶ

犬の健康を維持するためにはバランスの取れた栄養が必要です。たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルが適切な比率で含まれているフードを選ぶことが大切です。特に成長期の犬や、特定の健康問題を持つ犬の場合は、その犬に合った栄養バランスを確認しましょう。

獣医師や犬の栄養学に詳しい専門家がレシピを監修しているか

犬のフレッシュフードを選ぶ際に、獣医師や犬の栄養学に詳しい専門家がレシピを監修しているかどうかを確認することは非常に重要です。専門家が関与することで、科学的根拠に基づき、犬の生理的および栄養学的ニーズを満たすよう設計されていることが保証されます。

選ぶ際には、公式サイトなどで確認すると良いでしょう。

グレインフリードッグフードへの切り替え方

グレインフリードッグフードへの切り替えは、徐々に行うことが重要です。急な食事の変更は、犬の消化に負担をかけることがあり、下痢や嘔吐などの消化不良を引き起こす可能性があります。

まず、現在のドッグフードに少量のグレインフリードッグフードを混ぜることから始めます。最初の数日間は、新しいフードを全体の10%から20%程度にして、残りは従来のフードを与え続けます。この比率で犬が新しいフードを受け入れ、消化に問題がないことを確認してから、徐々にグレインフリードッグフードの割合を増やしていきます。

通常、完全に新しいフードに切り替えるまでには7日から10日かかります。毎日または2日ごとに新しいフードの比率を少しずつ増やし、古いフードの比率を減らしていきます。例えば、次のステップでは新しいフードを30%に増やし、その後50%、70%と徐々に増やしていきます。 この過程で、愛犬の様子を注意深く観察することが重要です。特に便の状態や日常生活の様子、食欲に変化がないかをチェックし、何か異常が見られた場合は切り替えを遅らせたり、獣医師さんに相談したりするようにしましょう。

愛犬へのグレインフリードッグフードの与え方

フードを与える際は、犬のサイズや活動量、健康状態に合わせて適切な量を計ることが重要であり、栄養価の高いフレッシュフードは過剰に与えると肥満の原因になることもあります。フードのパッケージに記載されている犬の体重に応じた推奨量を参考にしましょう。

主食として与える場合(ドライフード/フレッシュフード)

主食として与える場合は、その食事が犬にとって必要な栄養素を満たしている必要があります。これには、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどがバランス良く含まれていることが重要です。完全な主食としてグレインフリーのフレッシュフードを選ぶ際には、製品が総合栄養食であることを確認し、適切な量を日々の食事として与えます。

トッピングとして与える場合(フレッシュフード)

グレインフリーのフレッシュフードをトッピングとして使用する場合、主にドライフードやウェットフードの上に少量追加して味や栄養価を高める目的で使われます。トッピングとして使う際には、全体の食事のカロリーが過剰にならないように量を調整することが大切です。また、トッピング用のフレッシュフードを選ぶ際にも、高品質で新鮮な材料を使用した製品を選ぶことが推奨されます。

犬のグレインフリーについてよくある質問

どの犬にグレインフリーのフードが推奨されますか?

グレインフリーのフードは、穀物アレルギーがある犬に推奨されます。これにより、アレルギー反応や消化不良のリスクを減らすことができます。

グレインフリーのドッグフードへの切り替えで、何か注意すべき点はありますか?

切り替える際は、急激な食事の変更を避け、数日から1週間かけて徐々に新しいフードに移行することが推奨されます。初めは新しいフードを従来のフードに少量混ぜ、段階的にその割合を増やしていきましょう。

グレインフリーとグルテンフリーの違いは?

グレインは穀物のことで、イネ科の米、麦、トウモロコシ、キビなどを指しています。一方で、グルテンは穀物を製粉して得られるたんぱく質のことです。

まとめ

「グレインフリー」はイネ科穀物不使用で、「グルテンフリー」は麦類に含まれるたんぱく質の一種であるグルテンを含んでいないドッグフードということを意図しています。

グレインフリーフードは穀物にアレルギー反応が出る犬には不可欠ですが、アレルギー反応が出ていない場合には必ずしもグレインフリーのドッグフードが良いとは限りません。

ドッグフードを選ぶ際には、愛犬のライフステージや健康状態に適したものを選ぶようにしましょう。

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