犬にバナナを与えても大丈夫?
バナナは犬が食べても基本的に問題はありません。犬の健康維持に役立つ栄養素が含まれているので、食事やおやつとして与えることができる食べ物です。ただし、与え方や与える量、アレルギーなどの注意点もあるので詳しく見ていきましょう。
犬にとってバナナの栄養価
バナナはビタミンとミネラルが豊富で、犬の健康維持に必要な栄養素が含まれています。特にバナナに含まれるビタミンCとビタミンB6は、犬の免疫力を強化し、健康維持に役立ちます。さらに、バナナの主成分である糖分は高エネルギー源となります。また、バナナに含まれる食物繊維は便通をサポートし、腸内環境の改善につながります。
- カリウム
筋肉や神経の働き、細胞の正常な働きのサポートをします。 - マグネシウム
ビタミン類をより効率的に吸収するのを助け、心臓、歯や骨の形成、血圧や体温調整、神経伝達・興奮を抑えるサポートします。 - ポリフェノール
ビタミンEと合わさることで脂質の酸化を防ぐ効果や。歯周病予防の効果があります。 - カルシウム
骨の成長と維持をサポートします。 - 鉄分
血液には酸素を運ぶ働きがあり、鉄が不足すると貧血や下痢の原因になります。 - ビタミンB類
体の代謝をスムーズにする効果があり、不足すると疲れやすく、皮膚・被毛の健康に影響します。
バナナの与え方と注意点
バナナは犬の健康維持に必要な栄養素が含まれていますが、バナナの与えすぎは肥満や糖尿病になるおそれがあります。バナナを与える際の注意点について見ていきましょう。
食材の処理方法
バナナは生で与えて問題ありませんが、必ず皮を剥いて与えましょう。皮は消化が悪く、喉に詰まる可能性があります。また、未熟なバナナは硬く、犬が噛み切れずにそのまま飲み込むと胃腸のトラブルを引き起こすおそれがあります。たとえ適量であっても、与えるバナナは必ず熟していて柔らかいものを選びましょう。
さらに、一度にたくさんに食べてしまうと、消化不良や便秘、腸閉塞になる可能性もあるため、愛犬の口のサイズに合わせて小さく切って与えましょう。
バナナの過剰摂取
犬が過剰にバナナを食べてしまうと、肥満の原因になります。また、糖分の摂取が多くなると歯石や虫歯に起因することもあります。さらに、未熟なバナナを食べさせると胃腸の問題を引き起こすこともあります。
アレルギー
犬によってはアレルギーを抱えている可能性もあります。食べた当日や1~2日後までに嘔吐や下痢、食欲不振などの症状がみられた場合、アレルギーも疑いましょう。食べさせる際には、まず少量から試し何か体調に異変があったらすぐに獣医に相談しましょう。
腎臓病の犬は与えるのを控える
腎不全など腎臓に問題がある場合、バナナのカリウムが正常に排出できず高カリウム血症になっておそれがあります。不整脈など重篤な心臓病につながる可能性もあるため、与えるのを控えましょう。
バナナを与える際の適量
最初は1日に1/4本あたりを与え、徐々に量を増やすことをおすすめします。その際に、犬が便秘や下痢を起こしたり、皮膚のかゆみなどの異常が見られたりした場合には与えるのを中止し、獣医に相談しましょう。
また、おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。バナナを食事の一部として加える際には、バナナが含むカロリーや栄養素を考慮に入れたバランスの良い食事にしましょう。
犬の体重目安 1日あたりの接種可能目安
- 小型(体重2~5kg) 20g~40g(1/5本~2/5本)
- 中型(体重6~15kg) 46g~92g(1/2本~1本)
- 大型(体重20~50kg) 114g~226g(1本~2本と1/4本)
- バナナ1本(約100g)に含まれるエネルギーは、約80~90kcalとして算出
- 数値は、1日の総摂取カロリー目安の10%として算出
バナナを食べることによる犬への影響
消化器系の健康改善やコレステロールの低下に役立つなど、さまざまな面で犬の体調維持に対してメリットがあります。
バナナの消化促進効果
バナナにはペクチンという物質も含まれています。これは、胃のなかの老廃物や毒素を取り除く手伝いをしてくれます。バナナを適量与えることで犬の胃腸の働きを整えることができます。また、バナナにはマグネシウムも豊富に含まれており、消化を円滑にするサポートする効果もあります。
皮膚や被毛を健康に保つ
バナナに含まれるビタミンCとビタミンEは、皮膚トラブルを予防するとともに、犬の皮膚や被毛を健康に保つ手段となります。特にビタミンCは、犬の免疫システムを高め、皮膚疾患の予防に役立ちます。また、ビタミンEは皮膚バリアを強化し、紫外線から来るダメージの防止に役立ちます。
バナナアレルギーを持つ犬の判断方法と対策
人間と同じように、犬も飲食物によるアレルギーを発症することがあります。愛犬に突然バナナのアレルギー反応が現れた際の対策方法についてまとめます。
バナナアレルギー犬の特徴と対処法
アレルギーの典型的な兆候としては、嘔吐や下痢、皮膚の赤みやかゆみ、気管支の痙攣や呼吸困難などがあります。継続的にバナナを食べさせると、これらの症状が強くなることがあります。また、犬がバナナを食べて直後に異変があれば、速やかに獣医さんへ連れて行きましょう。
対策方法として、愛犬にバナナを食べさせる前に、ちょっとした量から始めて反応を見ることが大切です。また、あらゆる食材に対するアレルギー反応も考えられるため、新しい食材は一度に一つずつ与えるようにすると、症状の原因を特定しやすくなります。
バナナアレルギーの予防対策
ペットフードにバナナが含まれていないか確認をしましょう。また、犬が食べ物をこっそりと口にした場合は、すぐに口の中から取り出しましょう。すでに喉や胃の中に入っている場合は、獣医師へ相談しましょう。
バナナ以外のフルーツ
アプリコットやキウイ、ブルーベリー、リンゴなどは比較的与えやすいフルーツとされています。ただし、これについても同じく飲食前には少量ずつ試し、アレルギー反応がないか確認しましょう。
フルーツはビタミンやミネラルが豊富で、犬の健康を維持する上で大切な役割を果たしています。ただし、必要以上にフルーツを与えすぎると胃腸が荒れる可能性もあるので、適量を守って与えるように心がけてください。
犬用のバナナ製品のおすすめ
愛犬に与えられるバナナのドリンクレシピやスナックの選び方をご紹介します。
バナナを使ったドリンクレシピ
夏場には、冷凍バナナを与えることも良いでしょう。咀嚼時の楽しみも得られます。また、ヤギミルクや豆乳を加えてスムージーとして与えることもできます。愛犬の好みや体調に合わせて工夫しながらあげましょう。
犬用バナナスナックの選び方
まず、バナナ本来の風味を楽しめる「フリーズドライ」や「ドライフルーツ」タイプがあります。これらは、バナナの果肉をそのまま乾燥させたものなので、自然派志向の方におすすめです。なるべく保存料や添加物が含まれていないものを選ぶことをお勧めします。
また、食事の補助として「スナック」タイプもあります。これらは、各ブランド独自の栄養設計がなされており、タンパク質や繊維質が豊富です。たくさん食べさせ過ぎるとカロリーオーバーになるため、与えすぎに注意しましょう。
まとめ
愛犬の健康に役立つ栄養素が豊富に含まれるバナナ。しかし、与えすぎてしまうと犬の健康を害する可能性があるため、おやつとして適量を与えるようにしましょう。また、アレルギーや皮でのどを詰まらせることがないよう注意して与えましょう。