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犬にキャベツを与えても大丈夫!与える効果・メリットや注意点、適量を解説

犬にキャベツを与えても大丈夫!与える効果・メリットや注意点、適量を解説
犬にキャベツを与えても大丈夫!与える効果・メリットや注意点、適量を解説

キャベツは、犬に与えても大丈夫な野菜です。食物繊維やビタミンが豊富なキャベツですが、与え方や愛犬の体質によっては気を付けた方がいい点もあります。ここでは、犬にキャベツを与える効果・メリット、さらに注意点や適量まで詳しく解説します。

目次

犬にキャベツを与えても大丈夫

結論、キャベツは犬に与えても大丈夫な野菜です。キャベツは低カロリーでさまざまな栄養素を含んでおり、犬の健康維持・改善に大きな役割を果たします。例えば、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンUなどのビタミン、カルシウム、カリウムなどのミネラル、食物繊維です。

ただし、キャベツを与える前の前処理で、加熱の有無によって消化の良し悪しが変わったり、水に浸すことによる栄養素の溶け出しなどがあったりするため、与える際に工夫が必要です。

犬に与えてもキャベツの部位とは?

キャベツには、葉や芯といった部位があります。これらについて与えてもよいか、避けた方がよいか解説をします。

キャベツの葉

犬にキャベツの葉を与えても基本的に大丈夫ですが、いくつかの注意点を考慮する必要があります。

キャベツの葉はビタミンC、ビタミンK、ビタミンB6、葉酸、カルシウム、鉄分、食物繊維など、犬の健康に必要な多くの栄養素を含んでいます。これらの栄養素は、犬の免疫強化、骨の健康維持、消化器系の健康サポートなどに寄与します。

ただし、犬にキャベツの葉を与える際には、適切な調理方法が重要です。生のキャベツは消化によくない場合があるため、犬に与える前には蒸したり茹でたりすることをお勧めします。これにより、キャベツが柔らかくなり、犬が消化しやすくなります。また、加熱することでゴイトロゲンなどの甲状腺に影響を与える物質の活性が低減されます。

また、適量を守ることも大切です。キャベツを一度に大量に与えると、消化不良やガスの過剰生成につながる可能性もあります。最初は少量から始めて、犬の反応を観察することが推奨されます。

加えてキャベツには少量のシュウ酸が含まれているため、尿路結石のリスクが高い犬や、すでに尿路結石を持っている犬には注意が必要です。

キャベツの芯

犬にキャベツの芯はなるべく与えないようにしましょう。食感がとても硬く、犬の消化器官に詰まり、健康問題を引き起こす可能性があります。

また、硫酸イオンと呼ばれる中毒物質を含んでいます。キャベツを与える場合は芯は取り除き、葉の部分のみ与えるようにしましょう。

キャベツが犬にもたらす栄養素と効果

キャベツは、抗酸化作用のあるビタミンCや、老化防止の効果を持つビタミンK、またビタミンEやミネラルも含まれており、愛犬の健康管理に大きな効果をもたらします。ここでは、キャベツの栄養素が愛犬にもたらしてくれる栄養・効果・メリットを解説します。

βカロテン(ビタミンA)

キャベツに含まれるβカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、視力の維持、免疫機能の強化、皮膚や被毛の健康促進、さらには成長と発達に欠かせない役割を果たします。

まず、βカロテンがビタミンAに変換されることで、犬の視力を保護し、特に夜間の視力をサポートします。ビタミンAは目の網膜に存在するロドプシンという色素の生成に必要であり、これにより暗所でも視覚が機能するようになります。視力の低下を防ぎ、特に高齢犬にとって健康な目を維持するために重要です。

また、βカロテンは抗酸化物質としても機能し、体内で発生する細胞の酸化ストレスを軽減します。これにより、老化に関連する病状やがんの予防に有効な場合がります。さらに、βカロテンは免疫系の強化にも寄与します。免疫系のさまざまな細胞が正常に機能するためにはビタミンAが必要であり、βカロテンから変換されたビタミンAがこれらをサポートします。

加えて、皮膚と被毛の健康にも重要な役割を果たします。細胞の成長と修復を促進し、皮膚のバリア機能を強化します。これにより、皮膚の乾燥やフケを防ぎ、被毛の艶と質感を改善します。健康な皮膚と被毛は、犬の見た目を美しく保つだけでなく、感染症や炎症からも守ります。

ビタミンB6

キャベツに含まれるビタミンB6は水溶性ビタミンであり、犬の体内でさまざまな重要な役割を果たします。

まず、ビタミンB6はたんぱく質の代謝において不可欠です。たんぱく質は犬の体内で細胞の修復、筋肉の維持、酵素やホルモンの生成など、さまざまな機能を担っています。ビタミンB6はアミノ酸の代謝を助け、これによりたんぱく質が適切に活用されるようにサポートします。これにより、犬の筋肉の健康が維持され、傷の治癒や成長が促進されます。

また、神経系の健康にも重要な役割を果たします。神経伝達物質の合成に寄与し、神経の伝達が円滑に行われるようにします。例えば、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の生成にはビタミンB6が必要です。これらの伝達物質は、犬の気分や行動に影響を与え、ストレスの軽減や精神的な安定につながります。特に不安やストレスを抱える犬にとって、ビタミンB6は非常に重要です。

さらに、免疫の強化にも貢献します。白血球の生成をサポートし、これにより免疫応答が強化されます。白血球は感染症や病原体と戦うための重要な細胞であり、その機能が向上することで、犬の健康が保たれます。

加えて、ビタミンB6はエネルギー代謝にも関わっており、炭水化物、脂質、たんぱく質の代謝を助け、これによりエネルギーが効率的に生成されます。他にも、酸素を全身に運ぶ役割を担っている赤血球の生成にも関与しており、犬の全身の細胞が十分な酸素を受け取ることができるようにしてくれています。

ビタミンB9(葉酸)

キャベツに含まれるビタミンB9(葉酸)は、水溶性ビタミンであり、犬の体内でさまざまな生理機能をサポートする重要な栄養素です。

まず、葉酸はDNAとRNAの合成において不可欠な存在で、細胞の成長と分裂が正常に行われるように機能しています。特に成長期の子犬や妊娠中の母犬にとって、葉酸は非常に重要です。葉酸が十分に摂取されることで、胎児の正常な発育が促進され、先天性欠損症のリスクが低減します。

また、酸素を全身に運ぶ役割を担っている赤血球の生成に寄与しており、葉酸が不足すると赤血球の生成が不十分になります。すると、貧血を引き起こす可能性があります。貧血は、犬が疲れやすくなり、活力が低下する原因となります。

さらに、白血球の生成を助け、免疫機能をサポートします。これにより、病原体に対する抵抗力が高まり、感染症や病気から犬を守る能力が向上します。

加えて、ホモシステインというアミノ酸の代謝にも関わっています。ホモシステインは体内でメチオニンに変換される過程で生成されますが、高濃度になると心血管疾患のリスクを高めることが知られています。葉酸はビタミンB12と協力してホモシステインを無害な物質に変換し、これにより血中ホモシステイン濃度を低下させ、心血管系の健康を維持するのに役立ちます。これにより、心臓病のリスクが低減し、犬の長期的な健康がサポートされます。

ビタミンC

キャベツに含まれるビタミンCは、水溶性ビタミンで、主に抗酸化作用を有しています。

ビタミンCは強力な抗酸化作用を持ち、細胞を酸化から保護する働きをするため、犬の免疫が強化され、病気に対する抵抗力が高まります。

また、コラーゲンの生成に不可欠な栄養素でもあります。コラーゲンは、皮膚、骨、軟骨、血管、筋肉などの結合組織を構成する主要なたんぱく質です。ビタミンCが不足すると、コラーゲンの生成が滞り、組織の修復や成長が妨げられます。キャベツに含まれるビタミンCを摂取することで、犬の皮膚や被毛の健康が保たれ、関節の柔軟性と強度が維持されます。

さらに、白血球の生成を助け、感染症や病原体に対する抵抗力を高める効果もあります。これにより、犬は感染症に対する免疫力が強まり、健康を保ちやすくなります。加えて、炎症を抑える効果もあり、アレルギーや慢性炎症の症状を軽減するのに役立ちます。

他にも、鉄の吸収を助ける役割も果たします。鉄は赤血球の生成に不可欠であり、酸素を全身に運ぶ役割を担っています。ビタミンCは、植物性食品中の非ヘム鉄の吸収を促進し、鉄欠乏性貧血の予防に役立ちます。

ビタミンK

キャベツに含まれるビタミンKは、脂溶性ビタミンであり、犬の血液凝固や骨の健康維持に関連する重要な栄養素です。

ビタミンKは血液凝固のプロセスにおいて不可欠な栄養素です。血液が固まる機能は、怪我や手術後に出血を止めるために非常に重要で、ビタミンKはプロトロンビンというたんぱく質の生成を助け、これが血液凝固の過程で重要な役割を果たします。犬がビタミンKを十分に摂取することで、出血が止まり、傷の治癒が促進されます。特に手術後の回復期にある犬にとって、ビタミンKは非常に重要です。

また、骨の形成と修復に必要なカルシウムの代謝を助けます。具体的には、ビタミンKは骨にカルシウムを結びつけるオステオカルシンというたんぱく質の生成を促進します。これにより、骨密度が向上し、骨折のリスクが低減されます。

さらに、心血管系の健康にも影響を与えます。動脈壁にカルシウムが蓄積するのを防ぐ役割も果たし、これにより動脈硬化のリスクが減少します。動脈硬化は、血流が妨げられ、心臓病や脳卒中の原因となる状態です。犬の心血管系の健康を保ち、長期的な健康リスクを軽減するのに役立ちます。

犬は自分の腸内でビタミンKを合成することができますが、消化器の状態などにより生成力が低下している可能性がある場合は、キャベツなどの食物やサプリメントで補うとよいでしょう。

ビタミンU(キャベジン)

キャベツに含まれるビタミンU(キャベジン)は、メチルメチオニンスルホニウムクロリドと呼ばれおり、主に胃腸の健康をサポートする働きを持っています。

まず、ビタミンU(キャベジン)は胃腸の粘膜を保護し、修復する作用があり、胃炎や胃潰瘍の予防と治療に有効です。犬がビタミンU(キャベジン)を摂取すると、胃腸の粘膜が強化され、胃酸や消化酵素による損傷から守られます。ビタミンUは粘膜の細胞を再生させる働きがあり、これにより胃腸の健康が維持されます。

また、消化不良の改善にも寄与します。犬が消化不良を起こすと、食欲不振や体重減少、元気の低下といった症状が現れます。ビタミンUは胃腸の粘膜を保護し、消化酵素の分泌を正常に保つことで、消化機能を改善します。

さらに、抗炎症作用も持っており、胃腸の炎症を抑えることで、胃腸の健康を保ちます。炎症は多くの胃腸疾患の原因となるため、ビタミンUの抗炎症作用は、胃腸の健康維持にとって非常に重要です。

カリウム

キャベツに含まれるカリウムは、電解質として機能し、細胞の正常な活動、筋肉の収縮、神経伝達、そして心臓の健康に欠かせない栄養素です。

まず、カリウムは細胞の正常な機能を維持するために不可欠です。細胞の浸透圧を調節し、栄養素や老廃物の移動を助けます。これにより、細胞が正常に機能し、新陳代謝がスムーズに行われます。

また、ナトリウムとともに筋肉の収縮と弛緩を調整する役割を果たします。特に、心筋の収縮においてカリウムは重要であり、不足すると心拍数が乱れたり、不整脈が発生する可能性があります。適量のカリウムを摂取することで、犬の心臓の健康が維持され、正常な心拍リズムが保たれます。

加えて、神経細胞が電気信号を伝達する際に、カリウムとナトリウムのバランスが重要です。カリウムが不足すると、神経伝達が正常に行われず、犬の反応が鈍くなったり、神経機能に異常が生じることがあります。適切なカリウムの摂取により、神経信号の伝達がスムーズに行われ、犬の敏捷性や反応速度が維持されます。

さらに、体内の水分量を調整し、細胞内外の浸透圧を一定に保つために欠かせない存在です。これにより、脱水症状の予防や血圧の維持に役立ちます。特に暑い季節や激しい運動をした後、カリウムが不足すると脱水状態に陥りやすくなります。

鉄分

キャベツに含まれる鉄分は、酸素運搬、エネルギー生成、免疫機能の強化などに関わっています。

まず、鉄分はヘモグロビンの生成に不可欠です。ヘモグロビンは赤血球の中に存在し、酸素を肺から全身の細胞に運ぶ役割を担っています。適切な量の鉄分を摂取することで、十分な量のヘモグロビンが生成され、効率的な酸素運搬が可能になります。これにより、犬の全身の細胞が十分な酸素を受け取り、正常に機能することができます。

また、鉄分はミオグロビンの生成にも寄与しており、ミオグロビンは筋肉細胞に酸素を供給する役割を果たします。犬が運動をする際、筋肉には多くの酸素が必要です。鉄分が不足するとミオグロビンの生成が不十分になり、筋肉が必要な酸素を得られなくなります。これにより、犬は運動能力が低下し、疲労感が増します。

さらに、細胞内でエネルギーを生み出す化学反応に関与する酵素の構成要素でもあります。特に、ミトコンドリア内で行われる酸化的リン酸化のプロセスにおいて不可欠です。鉄分が不足すると、エネルギー生成が低下し、犬は元気がなくなり、活動的でいられなくなります。

カルシウム

キャベツに含まれるカルシウムは、骨と歯の健康、筋肉の機能、神経伝達、血液凝固に関与しています。

まず、カルシウムは骨と歯の形成および維持に不可欠です。骨の主要な構成成分であり、骨密度を高め、骨を強くします。子犬の成長期には、骨の発育に多くのカルシウムが必要です。また、成犬や高齢犬でも骨の健康を維持し、骨折や骨粗しょう症を防ぐためにカルシウムは重要です。

次に、歯はカルシウムから成り立っており、カルシウムが不足すると歯のエナメル質が弱くなり、虫歯や歯周病のリスクが増加します。カルシウムを豊富に含む食材を与えることで、犬の歯が強化され、口腔の健康が保たれます。

さらに、筋肉の収縮と弛緩に重要な役割を果たします。筋肉が正常に機能するためには、カルシウムが必要です。カルシウムが不足すると、筋肉の痙攣や弱化が起こることがあります。特に、心筋(心臓の筋肉)もカルシウムの影響を受け、カルシウムが不足すると心拍のリズムが乱れる可能性があります。

加えて、カルシウムは神経細胞が電気信号を伝達するために必要なミネラルです。これにより、神経系が正常に機能し、犬の反応速度や敏捷性が向上します。カルシウムが不足すると、神経伝達が遅れ、犬の反応が鈍くなる可能性があります。

他にも、傷ができた際に血液が固まる能力は、カルシウムも関わっています。カルシウムが不足すると、出血が止まりにくくなり、怪我や手術後の回復が遅れることがあります。カルシウムを適切に摂取することで、血液凝固の機能が正常に保たれ、傷の治癒が促進されます。

食物繊維

キャベツに含まれる食物繊維は、消化器系の健康維持に欠かせない栄養素であり、便通の改善、体重管理、血糖値のコントロール、そして腸内フローラのバランスを保つ役割を果たします。

まず、食物繊維は消化されずに腸内を通過するため、便のかさを増やし、腸の動きを刺激します。これにより、便秘の予防や解消が促進されます。キャベツに含まれる不溶性繊維は特にこの効果が高く、便の通過をスムーズにし、腸内での滞留時間を短縮します。

また、カロリーが低く、消化に時間がかかるため、満腹感を長く維持することができます。これにより、食欲を抑え、過剰なカロリー摂取を防ぐことができます。

さらに、糖の吸収を遅らせ、食後の血糖値の急上昇を防ぎます。そのため、血糖値の安定が図られ、糖尿病の予防や管理に貢献します。キャベツに含まれる水溶性繊維は特にこの効果が高く、血糖値のコントロールに役立ちます。

加えて、腸内に存在する微生物の集合体である腸内フローラのバランスを保つ役割も果たします。プレバイオティクスとして機能し、腸内の善玉菌の増殖を促進します。これにより、腸内環境が整い、消化吸収が効率的に行われます。

フィトケミカル

キャベツに含まれるフィトケミカルは、植物が生成する天然の化合物であり、抗酸化作用、抗炎症作用、免疫機能の強化など、多岐にわたる健康効果があります

まず、フィトケミカルの一つであるグルコシノレートは、抗酸化作用を持っています。抗酸化物質は、細胞の酸化ストレスを軽減する役割を果たします。キャベツに含まれるグルコシノレートは、体内でイソチオシアネートという抗酸化物質に変換され、犬の免疫システムが強化し、病気に対する抵抗力を高めます。

また、キャベツに含まれるフラボノイドも重要なフィトケミカルです。フラボノイドは炎症を引き起こす酵素の活性を抑制し、体内の炎症反応を緩和します。これにより、関節炎やアレルギーなどの炎症性疾患の症状が軽減され、犬の生活の質が向上します。

さらに、カロテノイドもキャベツに含まれるフィトケミカルです。カロテノイドはビタミンAの前駆体であり、視力の健康維持や免疫機能の強化に役立ちます。カロテノイドは体内でビタミンAに変換され、これにより目の健康が保たれ、夜間視力の改善に寄与します。また、ビタミンAは皮膚や被毛の健康にも重要です。

加えて、キャベツに含まれるインドールは、癌の予防に役立つとされています。インドールは体内でのホルモン代謝を調節し、特にエストロゲンの代謝に関わっており、ホルモン依存性の癌のリスクが低減される可能性があります。

シュウ酸

キャベツに含まれるシュウ酸は体内でカルシウムと結合してシュウ酸カルシウムを形成することが知られています。シュウ酸を過剰に摂取すると、尿中に結晶を形成し、尿路結石を引き起こす可能性があります。

また、シュウ酸がカルシウムと結合することで、体内のカルシウム吸収が阻害される可能性があります。カルシウムは犬の骨や歯の健康、筋肉機能、神経伝達などに不可欠なミネラルです。したがって、カルシウム欠乏を防ぐためには、シュウ酸の摂取量を適切に管理することが必要です。

ゴイトロゲン

ゴイトロゲンは、キャベツをはじめとする多くの十字花科の植物(ブロッコリー、カリフラワー、ケールなど)に含まれる成分であり、甲状腺機能に影響を与える可能性があります。

ゴイトロゲンは、甲状腺ホルモンの生成を阻害する働きを持っています。具体的には、甲状腺ホルモンの一種であるサイロキシン(T4)の生成を抑制し、結果として甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を促進する可能性があります。TSHの増加は甲状腺の肥大を引き起こし、「甲状腺腫」を形成することがあります。これは甲状腺機能低下症(甲状腺の活動が不十分な状態)につながることがあり、犬の代謝、体重、被毛の質、影響を与える可能性があります。

しかし、キャベツに含まれるゴイトロゲンの量は非常に少なく、適度な量であれば、健康な犬に対して重大なリスクをもたらすことは少ないとされています。

キャベツを犬に与えるメリット

上述の通り、キャベツには犬の体に役立つさまざまな栄養素が含まれています。では、上記栄養素がどんなメリットをもたらすか見ていきましょう。

キャベツに含まれるビタミンとミネラル

キャベツには、さまざまなビタミンとミネラルが含まれています。ビタミンCは強力な抗酸化剤として、ビタミンKは血液の凝固のサポートとして、それぞれ重要な働きをします。

また、ミネラルについても、カリウムは血圧の管理に、カルシウムは骨や歯の健康に、鉄分は新しい血液細胞の生成に寄与します。これらの栄養素がお互いに作用し合い、愛犬の健康維持に貢献します。

キャベツの抗酸化物質が犬の健康に与える影響

キャベツには、犬の体内で起こる酸化を抑える抗酸化物質が含まれています。抗酸化物質には、体内で生じる過剰な活性酸素を取り除く作用があります。体内で活性酸素が多くなると、犬の細胞が傷つけられ、慢性的な炎症や老化の原因となる可能性もあります。キャベツで抗酸化物質を摂ることによって、これらの問題を防ぐことが期待できます。そのため、健康的な長寿へ貢献しているといえるでしょう。

キャベツを食事に取り入れることで改善される犬の便秘・腸内環境

食物繊維が豊富であることから、便秘の解消や腸内環境の改善を助けてくれます。これは、犬の消化器系の健康維持へ寄与しているといえるでしょうただし、キャベツは硬い葉もあるため、与え方には注意しましょう。

キャベツの与え方

キャベツを与える際には、生でも加熱でも、どちらでも与えることができます。いずれにしても、喉につまらないようにみじん切りなどで細かく刻むようにしましょう。

ここでは、生あるいは熱処理した場合のそれぞれのメリット・デメリットを解説します。

生でキャベツを与えるメリット・デメリット

メリットとしては、食事のボリュームを出すことができる点や、水溶性ビタミンであるビタミンC、ビタミンUを効率よく摂取できる点が挙げられます。

一方で、デメリットとしては、熱処理したキャベツよりも細かく切らなければ消化が悪い点が挙げれらます。ゆえに、手間がかかるという点は人間視点ではあるかもしれません。

加熱したキャベツを与えるメリット・デメリット

メリットとしては、加熱すると養素を吸収しやすくなる点が挙げられます。また、茹でると、シュウ酸を減らすことができる点もメリットになるでしょう。

一方で、デメリットとしては、大量に食べると、ガス(おなら)の原因になる点や水溶性ビタミンであるビタミンC、ビタミンUが茹で汁に出てしまう点が挙げられるでしょう。

犬にキャベツを与える際の適量

犬にキャベツを与える場合は、体重に合わせて以下の量を参考にしてください。あくまでもカロリー上の算出値であるため、主食を阻害しない量にしましょう。

    犬の体重目安1日あたりの摂取可能目安
小型(2~5kg)90g~178g
中型(6~15kg)204g~407g
大型(20~50kg)504g~1003g
※数値は、避妊・去勢済みの犬で体重相応のおやつ(1日の総摂取カロリー目安の1割)として算出

犬にキャベツを与える際の注意点

キャベツを犬に与える際の注意点について詳しく説明します。

キャベツアレルギー

キャベツを犬に与える際には、キャベツアレルギーの可能性を考慮することが非常に重要です。キャベツアレルギーは比較的稀ですが、アレルギー反応が起こると犬の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

まず、キャベツアレルギーとは、免疫がたんぱく質に対して過剰に反応する状態です。犬がキャベツを摂取した際に免疫がこの物質を異物と認識すると、アレルギー反応が引き起こされます。

キャベツアレルギーの主な症状としては、皮膚のかゆみや赤み、発疹、腫れ、耳の炎症、消化不良(下痢や嘔吐)、そして重度の場合は呼吸困難やアナフィラキシーショックなどが挙げられます。

そのため、犬にキャベツを初めて与える際には、少量から始めることが重要です。少量を与えた後、犬の反応を観察し、アレルギー症状が現れないか確認します。もし、かゆみ、発疹、消化不良などの症状が見られた場合は、獣医師に相談してください。

細かく切って、加熱してから与える

キャベツは、硬い野菜なので大きな塊のまま与えると、下痢などにつながることもあるため、

消化器に負担をかけないために、細かく刻んでから与えましょう。

また、蒸したり茹でたりするなどの加熱方法でしっかり柔らかくしてから与えるとよいでしょう。ただ、水に溶ける栄養素(水溶性ビタミンなど)もあるため、ゆで汁ごと与えたり、蒸したりするなど工夫が必要です。

心臓や腎臓に疾患のある愛犬に与える際には獣医さんに相談

心臓や腎臓に疾患のある犬にキャベツを与える際には、慎重になる必要があります。

キャベツに含まれるカリウムは、体内の電解質バランスを維持し、細胞の正常な機能、筋肉の収縮、神経伝達などに必要な重要なミネラルです。通常、カリウムは腎臓によって調節され、余分なカリウムは尿を通じて排出されます。しかし、心臓や腎臓に疾患を持つ犬の場合、カリウムの代謝や排泄が正常に行われないことがあります。

心臓に疾患のある犬は、カリウムの過剰摂取が心拍数や心臓のリズムに影響を与える可能性があります。高カリウム血症と呼ばれる状態は、心臓の不整脈を引き起こすリスクがあり、重篤な場合は命に関わることもあります。

また、腎臓に疾患のある犬では、カリウムの排泄機能が低下することがあります。健康な腎臓は、血液中の余分なカリウムを効率的に排泄しますが、腎臓病を持つ犬ではこの機能が低下し、血液中のカリウム濃度が上昇する可能性があります。

したがって、心臓や腎臓に疾患のある犬にキャベツを与える際には、必ず事前に獣医師に相談することが重要です。

甲状腺疾患やその疑いのある愛犬に与える際には獣医さんに相談

甲状腺疾患やその疑いがある犬にキャベツを与える際には慎重な対応が必要です。

キャベツにはゴイトロゲンと呼ばれる成分が含まれています。ゴイトロゲンは甲状腺の機能に影響を与える可能性があり、甲状腺ホルモンの生成を阻害することがあります。これにより、甲状腺腫や甲状腺機能低下症のリスクが高まる可能性があります。甲状腺機能低下症は、体の代謝が低下し、体重増加、エネルギーレベルの低下、被毛の質の低下などの症状を引き起こします。

そのため、甲状腺の状態を悪化させる可能性があるので、甲状腺疾患やその疑いのある愛犬には与える際には獣医さんに相談しましょう。

尿路結石やその疑いのある愛犬に与える際には獣医さんに相談

尿路結石やその疑いのある犬にキャベツを与える際には、慎重な対応が求められます。

キャベツにはシュウ酸と呼ばれる化合物が含まれています。シュウ酸は、体内でカルシウムと結合し、シュウ酸カルシウムとして知られる結晶を形成することがあります。これらの結晶は尿中に排出される際に集まり、尿路結石を形成する可能性があります。

キャベツに含まれるシュウ酸が体内でカルシウムと結合し、結石の形成を助長する可能性があるため、尿路結石のリスクを増大させることがあります。したがって、尿路結石を持つ犬やその疑いがある犬にキャベツを与える前には、必ず獣医師に相談することが重要です。

キャベツのおすすめの与え方

主食にトッピング

キャベツのおすすめの与え方としては、主食にトッピングすることをおすすめします。ドライフードやウエットフード、フレッシュフードなどの主食に、一回当たりの摂取カロリーを超えない範囲で細かく刻んだキャベツを加えると、上述した栄養素を摂取しつつ、普段とは違った食感を愛犬に楽しんでもらうことができます。

おやつ・間食

キャベツは、低カロリーかつ健康に役立つ栄養素を含んでいるため、適量を守れば健康的なおやつとしても活躍するでしょう。特に夏は水分摂取が大切な時期なので、水からだけでなくキャベツなどの野菜から摂取するのおすすめです。

キャベツを使った愛犬用レシピ

キャベツを使った犬用(5kgを想定)のレシピ(キャベツと鶏肉のごはん)を一つご紹介します。

材料

  • キャベツ:50g
  • 鶏ささみ:50g
  • にんじん:20g
  • かぼちゃ:20g
  • ブロッコリー:20g
  • オリーブオイル:小さじ1/2

手順

  • 材料の準備
    キャベツ、にんじん、かぼちゃ、ブロッコリーをそれぞれ洗います。キャベツは細かく刻み、にんじん、かぼちゃ、ブロッコリーも小さな一口サイズに切ります。鶏ささみも小さく切ります。
  • キャベツの加熱
    刻んだキャベツを蒸し器に入れて約2〜3分蒸します。蒸し器がない場合は、耐熱容器にキャベツを入れ、ラップをして電子レンジで2〜3分加熱します。キャベツが柔らかくなるまで加熱してください。
  • 他の野菜の加熱
    刻んだにんじん、かぼちゃ、ブロッコリーも同様に蒸します。蒸し器を使うか、耐熱容器に入れ、ラップをして電子レンジで約3〜4分加熱します。すべての野菜が柔らかくなるまで加熱します。
  • 鶏ささみの調理
    フライパンにオリーブオイルを小さじ1/2加え、中火で加熱します。鶏ささみをフライパンに入れ、鶏肉が完全に火が通るまで、約5〜7分間調理します。鶏肉が白くなり、中まで火が通ったら火を止めます。
  • 混ぜ合わせ
    加熱したキャベツ、にんじん、かぼちゃ、ブロッコリー、鶏ささみをボウルに入れます。全ての材料が均一に混ざるようによく混ぜ合わせます。
  • 冷ます
    混ぜ合わせた後、食べやすい温度まで冷まします。温度が適切になったら、愛犬に提供します。

愛犬にキャベツを与える際によくある質問

犬にキャベツを与えても大丈夫ですか?

はい、犬にキャベツを与えても大丈夫です。キャベツにはビタミンC、ビタミンK、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれており、犬の免疫力を高め、消化をサポートする効果があります。

キャベツを生で与えても良いですか?

消化しにくい場合があるため、加熱することをお勧めします。加熱することで、キャベツが柔らかくなり、消化がしやすくなります。また、加熱することでシュウ酸やゴイトロゲンの含有量が減少し、尿路結石や甲状腺に対するリスクも軽減されるとされています。

まとめ

キャベツは、犬に与えても問題ありません。キャベツは、ビタミンやミネラルなどさまざまな栄養素を豊富に含んでいます。

ただし、細かく刻んでから与えたり、加熱してから与えるなど、与える際にはいくつかポイントがあるので、今回ご紹介した内容を参考にしてみてください

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