犬はかぼちゃを食べても大丈夫
も多いのではないでしょうか。ドッグフードを食べない場合のトッピングや、おやつとしても使いやすい材料です。かぼちゃが余っていたら、少量ずつ与えてみてください。
病気や老化の要因となる活性酸素を除去する抗酸化作用があるβカロテンやビタミンC、血流をよくするビタミンE、腸内環境を整える食物繊維など、犬の健康に役立つ栄養素が豊富に含まれています。
ただし、与える量や与え方が適切でない場合、逆効果になることもあります。本記事では、かぼちゃに含まれる成分や食べるメリット、与えてよい量・与え方などを紹介します。
かぼちゃが犬にもたらす効果とメリット
愛犬の健康維持において、バランスの良い食事は非常に大切です。今回は、愛犬の健康維持に役立つかぼちゃのもたらす効果・メリットについて解説していきます。
かぼちゃがもたらす栄養価
かぼちゃには、特にβカロテン(ビタミンA)とビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンAは視覚の健康を維持し、皮膚や粘膜の健康を保つ働きがあります。また、ビタミンCは抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぎ、免疫力の向上にもつながります。これらのビタミンは体内で生成されないため、食事から摂取することが重要となります。
βカロテン(ビタミンA)
βカロテンは犬の体内でビタミンAに変化し、皮膚や眼、粘膜の保護、健康な歯をつくるのに役立つ栄養素です。不足すると、免疫低下や骨の形成不全につながる可能性があります。 また、βカロテン自体に抗酸化作用もあります。βカロテンやビタミンEは、抗酸化成分でアンチエイジング効果を持っているといわれています。そのなかでも、血管のアンチエイジングが期待できるという研究もあります。そのため、成分が血行促進などの作用を示し、心臓病の予防効果も期待できるかもしれません。
近年、「βカロテン→ビタミンA」という代謝が、他の動物と比べて犬は活発に起こるという研究も報告されています。少量のβカロテンでもビタミンAが多く作られるため、適量を守って与えることが大切です。
ビタミンB群
かぼちゃには、ビタミンB1、B2、 B6が豊富に含まれています。これらビタミンB群は、炭水化物・タンパク質・糖の代謝によってエネルギーを生成するのに役立ちます。
ビタミンB1には、脳や心臓、肝臓、腎臓など大切な臓器の正常な働きを維持する働きもあり、不足すると視力や運動機能の低下につながります。
ビタミンB2は、犬の体のエネルギー生成や皮膚の健康維持に影響し、不足するとフケや脱毛といった症状を引き起こす可能性があります。
ビタミンB群は水に溶けやすいビタミンのため、尿と一緒に排出されてしまうことが多々あります。ビタミンB群は継続的に摂取する必要があります。
ビタミンC
ビタミンCは、解毒やホルモン代謝を担う酵素サポート、抗酸化作用による活性酸素の除去など、免疫機能面で大きく貢献する栄養素です。
近年、これまで考えられていなかった犬のビタミンC欠乏症があることが明らかになりました。かぼちゃなどの食べ物やサプリメントから、ビタミンCの補給を行うと良いでしょう。
ビタミンE
ビタミンEには、細胞膜にダメージを与える活性酸素を除去する強い抗酸化作用があり、老化や炎症を伴う病気の予防や治療に使われています。ビタミンEが不足すると、筋力低下や皮膚の異常などにつながります。
ビタミンEの摂取は、愛犬の健康を守り、若さを維持するのに役立つといえます。また、ビタミンEには血流をよくする作用もあるため、心臓病などの循環器疾患の予防も期待できます。
ただし、ビタミンEは体内で働いたあと、「ビタミンEラジカル」という体によくない成分に変化します。これは、ビタミンCを同時に摂取すれば、働き疲れて変化したビタミンEをもとの性質に戻してくれます。かぼちゃには、ビタミンEとCの両方が豊富に含まれているため、相乗効果を期待できます。
カリウム
かぼちゃには、カリウムが豊富に含まれており、筋肉や神経などの機能を正常に保ち、体のエネルギー代謝の調整に大きく寄与します。不足すると、うまく歩けなくなる、食欲不振、元気消失などの症状につながります。
鉄分
主に犬の体内の酸素運搬に良い影響をもたらします。不足すると、貧血や下痢、発育不良などにつながります。
食物繊維
腸内細菌のエサとなり、腸内環境を改善したり、食後の血糖上昇をゆるやかにして糖尿病を予防したりします。特に、便秘の改善などの効果が期待できます。
犬の健康に対するかぼちゃの効果
かぼちゃは、食物繊維が豊富で便秘解消につながります。また、ビタミンやミネラルも豊富に含まれており、上述したように犬の健康維持に大きく寄与してくれるでしょう。
さらに、かぼちゃは低カロリーであるため、肥満が気になる犬にとっても最適な食材といえます。しかし、与える量には注意が必要なので、後述する適切な量を守りましょう。
愛犬にかぼちゃを与える際の注意点・ポイント
犬にとって、かぼちゃは優れた食材の一つです。包括的なビタミンとミネラルを補給でき、健康を維持するのに役立ちます。しかし、誤った方法や量で与えると、肥満だけでなく、ビタミン過剰症、消化不良や下痢の症状を引き起こす可能性があります。安全に与える方法について見ていきましょう。
犬に与える際の調理方法
生のかぼちゃは硬く、消化不良の原因になります。必ず加熱して、やわらかくなったものを愛犬のサイズに合った大きさに切り分けて与えましょう。
かぼちゃの種と皮は、消化に悪いので、与えるのはおすすめしません。種は有毒ではありませんが、消化がとても悪く、胃腸の中で異物として残る可能性もあり、皮は大変硬いので、与える際は十分な加熱が必要です。
また、人用のかぼちゃの煮付けで使用する糖分や塩分などの調味料は使用せず、味付けはしない加熱しただけのかぼちゃを与えましょう。
かぼちゃアレルギー
一部の犬は、かぼちゃに対してアレルギーを示す可能性があります。アレルギー反応は以下のような症状で現れます。
- 下痢
- 嘔吐
- 皮膚のかゆみ
- 元気がない
- 目の充血
アレルギーを避けるためには、初めてかぼちゃを与える際には少量から始め、その後数日間は犬の様子を見るようにしましょう。何らかの異変が見られたらすぐに動物病院に行き、相談してください。
愛犬にかぼちゃを与える際の適量
犬にかぼちゃを与える際には、体重に合わせて与えましょう。与えすぎは、肥満の原因や特定栄養素の過剰摂取になるので注意しましょう。参考までに、以下の量を目安にしてください。ただし、あくまでもカロリー上の算出値なので、主食(総合栄養食)の摂取を阻害しない量に留めることが大切です。
犬の体重目安 | 1日あたりの摂取可能目安 |
小型(2~5kg) | 24g~48g |
中型(6~15kg) | 55g~109g |
大型(20~50kg) | 136g~270g |
かぼちゃを使った犬用レシピ
かぼちゃを使った犬用のおやつレシピをご紹介します。
自家製かぼちゃチップスの作り方
かぼちゃを1cm程度の薄切りにし、水にさらしてアクを抜きます。次に、ホットエアーフライヤーやオーブンを使ってじっくりと乾燥させます。160度の温度設定で、15分ほど焼いてから一度取り出し、もう一度続けて15分ほど焼きます。焼き色がつくまで焼くことがポイントです。保存は冷暗所がオススメです。
かぼちゃを日常の食事に取り入れるためのヒント
かぼちゃは、犬にとって栄養が豊富で、食物繊維によって便通にも良いとされています。ここでは、犬の食事にどのようにかぼちゃを取り入れるかについて解説します。
犬の食事にかぼちゃを上手に混ぜる方法
まず、犬の食事にかぼちゃを上手に混ぜる方法としては、かぼちゃを適度な大きさに切り、蒸してからパウダー状にすることが挙げられます。血糖値の上昇を抑え、消化を良くする効果があるため、老犬にも特にオススメです。
また、馴染んだら徐々に大きさを大きくしていき、慣らしていきましょう。最初は細かく、徐々に大きさを変えていくことで、食べごたえを感じ、飽きさせない工夫もできます。 さらに、かぼちゃが苦手な愛犬には、かぼちゃのニオイを抑えるために、強い香りの肉や魚と一緒に調理することもおすすめです。
犬用のかぼちゃおやつのおすすめ
愛犬に与えられるかぼちゃのおやつをご紹介します。
DOG TREE カルシウムボーロ ミニ かぼちゃ
北海道ばれいしょでん粉に栄養価の高いかぼちゃと卵殻カルシウムを加えた栄養おやつです。合成保存料や着色料などは一切使用されていません。
サクサクした食感と優しいくちどけは、育ち盛りのパピーからシニア犬まで全年齢向きです。
参考:【犬のおやつ】国産 カルシウムボーロ ミニ かぼちゃ|犬のおやつならDOGTREE(ドッグツリー)
帝塚山ハウンドカム 小豆かぼちゃの腎ケアビスケソフト
無添加で、簡単に割れ・砕ける使用感の良いおやつです。優しい成分のなた豆・クルクミンを配合しており、リンも0.13%と低く安心です。
参考:犬用無添加おやつ|小豆かぼちゃの腎ケアビスケソフト60g|ドッグフードの通販・帝塚山ハウンドカム 低リンで腎臓に優しい
よくある Q&A
持病のある犬にかぼちゃを与えても大丈夫?
イネ科植物(こむぎ、おおむぎ、とうもろこし等)や、じゃがいも、にんじんにアレルギーを持っている場合、同様にアレルギー反応を起こす「交差反応」を起こす可能性があります。最初は少しずつ与えて様子を見るようにしましょう。アレルギー症状がみられた際には、すぐに動物病院に相談しましょう。
かぼちゃの加工食品を与えても大丈夫?
砂糖などの調味料・添加物が含まれているものは、与えないようにしましょう。何も含まれていないかぼちゃのみを使った加工食品であれば、前述の摂取量を超えないように注意して与えても問題ありません。
まとめ
かぼちゃは栄養価が高く、愛犬の健康維持・改善に大きく寄与してくれる食材です。ただし、与え方やその量に注意点があるため、本記事を参考にしてみていただけますと幸いです。