犬が鮭(サーモン)のを食べても大丈夫?
犬が鮭(サーモン)を食べても問題はありません。アスタキサンチンやたんぱく質、DHAなどが含まれているため、犬の健康維持に役立ちます。
ただし、与え方や与える量には注意が必要なため、さっそく解説を見ていきましょう。
鮭とサーモンの違いは?
サーモン
日本で販売されているサーモンの多くは、トラウトサーモンのことで淡水魚のニジマスです。養殖であることが多く、刺身や寿司、生食用として販売されています。
鮭
養殖が多いサーモンに対し、天然物が多いのが海水魚の鮭です。国産物の鮭も販売されていますが、鮭にアニサキスが寄生しているため、生で食べることはできません。アニサキスを体内に入れると酷い腹痛と嘔吐などの食中毒になることがあるため、安全のために必ず火を通さないといけません。
サーモンも鮭も同じような魚ですが、育った環境や食べている餌、食べ方は全く違います。
犬が食べられる魚の一例
- マグロ
- カツオ
- サバ
- タイ
- タラ
- サンマ
- アジ
犬にとって鮭(サーモン)の栄養価
DHA
血液をサラサラにし、中性脂肪やコレステロール値を下げる効果があります。また、中枢神経を保護する働きがあり、脳卒中や認知症の予防・改善効果が期待できます。さらに、子犬の成長においても重要な働きをします。神経や脳膜、聴覚の正常な発達および知能を高めてしつけやドッグトレーニングの能力向上にもつながります。
ビタミンB12
補酵素としてタンパク質の合成やエネルギーの産生をサポートします。神経機能や睡眠リズムを正常化する働きもあり、血液をつくる造血作用もありビタミンB12が不足すると貧血につながります。
ビタミンD
魚類のなかでも、鮭(サーモン)はビタミンDの含有量が多いのが特徴です。ビタミンDには、体内のカルシウム吸収率を引き上げ、骨の強くするのに役立ちます。
セレン
抗酸化作用をもち、組織細胞の酸化を防ぐ働きがあるので、認知症予防の効果が期待できます。魚に含まれる水銀の解毒効果があることもわかっています。
アスタキサンチン
鮭(サーモン)の赤い色素は、アスタキサンチンによるものです。ビタミンEと同様に、抗酸化作用をもつため、活性酸素の除去によるアンチエイジングが期待できます。
鮭(サーモン)の期待できる効果
犬が鮭(サーモン)を食べることで下記のような効果が期待できます。
- ガンや動脈硬化の予防
- 血栓予防
- 肝臓の健康をサポート
- 中性脂肪・コレステロール値低下をサポート
- 免疫力の向上
- 関節の健康を守る
- 皮膚や粘膜の健康維持
- 皮膚や脳細胞の活性化
- 骨の健康維持や強化
鮭(サーモン)を与える際の注意点
鮭(サーモン)は犬の健康維持に役立つ栄養価を含んでいますが、与え方を誤ると体調不良にもつながるため鮭(サーモン)を与える際の注意点について見ていきましょう。
食材の処理方法
加熱する(茹でる、蒸す)
アニサキスによる食中毒やビタミンB1欠乏症が懸念されるため、加熱調理してから与えましょう。
生の鮭(サーモン)を与えたい場合は一度冷凍する
アニサキスはマイナス20度以下で24時間以上冷凍すると死滅します。生の状態で与えたい場合は、一度冷凍してから与えるとリスク軽減につながります。
味付けはしない
調味料などで味付けをすると、塩分過多になる可能性があります。鮭フレークや缶詰めなど 人間用に味付けされたものは与えないようにしましょう。
骨を取り除く
大きな骨がある場合は、のどに刺さる可能性があります。与える前に骨を取り除いてから与えましょう。
ほぐして、愛犬の口のサイズに合わせて与える
犬は咀嚼せず丸呑みしてしまう習性があるため、骨が刺さり胃腸を傷つけることがないようにほぐしたものを与えるようにしましょう。また、喉に詰まらせないように愛犬の口のサイズに合わせて与えることが大切です。
鮭(サーモン)の過剰摂取
ビタミンB1分解酵素のチアミナーゼが含まれており、ビタミンB1欠乏症の原因につながります。そのため、ドッグフードと一緒に生のサーモンを与えると、摂取したビタミンB1がチアミナーゼのせいで分解され、不足状態になります。
サーモンに含まれるビタミンB1も同じように分解されるので、毎回大量に食べ続けると神経や運動機能に障害が現れることもあり、死に至るケースもあるため与え過ぎには注意しましょう。
鮭(サーモン)のアレルギー
鮭(サーモン)はアレルギーの報告が多い食材ではありませんが、アレルギー症状が出る可能性もあります。
- 下痢
- 嘔吐
- 皮膚のかゆみ(目の周り、口の周り、耳を痒がるなど)
- 元気がなくぐったりしている
- 目の充血
上記のような症状が出た場合は、獣医師へ相談をしましょう。また、初めて犬に鮭(サーモン)を与えるときは、少量にして他に新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
塩分過多に注意
塩分を取り過ぎてしまうと、腎臓や心臓に負担がかかります。また、脱水などの可能性もあるため、特に「塩鮭」や「新巻鮭(あらまきざけ)」「スモークサーモン」などは塩分濃度が高く加工されている製品を犬に与えるのはやめましょう。
鮭(サーモン)を与える際の適量
愛犬に鮭(サーモン)を与える場合は、1日に必要なカロリーの10%程度にとどめることをおすすめします。あくまでもカロリー上の算出値なので、主食(総合栄養食)の摂取を阻害しない量に留めることが大切です。
犬の体重目安 | 1日あたりの摂取可能目安 |
3~5 kg | 15g前後 |
5~10 kg | 30g前後 |
10~15 kg | 55g前後 |
15~20kg | 75g前後 |
20~25kg以上 | 95g前後 |
鮭を使った犬用レシピ
愛犬に与えられる鮭(サーモン)のレシピをご紹介します。
犬用鮭ジャーキー
材料
- 生鮭の切り身(味付けされていないもの):1~2枚
作り方
- 生鮭は薄くスライスするか、細く切る。骨があればこの時に取り除く
- オーブンを160度で予熱し、40分焼く
- 状態を見てもう少しカリカリにしたい場合は、裏返してさらに40分焼いて完成
鮭と野菜の健康スープ
材料
- 鮭(100g)
- 人参(20g)
- ブロッコリー(30g)
- カボチャ(30g)
作り方
- 全ての食材を細かく切った後、鍋に食材を入れて煮込む
- 煮込み時間は鮭がほろほろと崩れる程度までとし、完全に火が通れば完成です
このスープは、鮭を主成分とすることでオメガ3脂肪酸を補うことができ、野菜も一緒に摂取できるためバランスの良い食事になります。愛犬の健康を維持するためにもぜひ作ってみてください。
よくあるQ&A
鮭(サーモン)与える際によくある質問をご紹介します。早速見ていきましょう。
犬に鮭(サーモン)の皮や白子を与えても大丈夫?
皮も白子も与えて大丈夫です。皮にはコラーゲンが豊富に含まれており皮膚や関節などの健康維持に役立ちます。また白子も高タンパクでビタミンやミネラルが含まれています。
ただし、与え過ぎはカロリー過多になり肥満につながるため注意しましょう。
子犬に鮭(サーモン)を与えても大丈夫?
子犬が鮭(サーモン)を食べても大丈夫です。ただし、子犬に与える時は特に注意してください。子犬は消化器官が未発達の状態のため、下痢や嘔吐など消化不良を起こしやすいです。
生後6カ月ごろに固形の食べ物が食べられるようになるため、心配な方は生後6カ月以降に与えることをおすすめします。食べた後は、愛犬の様子を観察しアレルギー反応がないか体調不良はないか確認をしましょう。
シニア犬に鮭(サーモン)を与えても大丈夫?
シニア犬が鮭(サーモン)を食べても大丈夫です。ただし、シニア犬は消化器の働きが衰えていることが多いため加熱してから与えると安心です。
まとめ
鮭(サーモン)は、犬の健康維持に役立つ栄養が豊富に含まれていますが、与える量や与え方を誤ってしまうと愛犬の健康を害してしまう可能性があるため、あくまでも1日の総カロリーの10%の量にとどめて与えるようにしましょう。